言語聴覚士が行う介護職の中でも、重要なのが高齢者への食の支援です。
高齢者は、食事を楽しめるようになることで、健康だけでなく、日々の活力を取り戻すことができます。
食べることは毎日を健やかにする
食べるという行為は毎日の生活を営むために必要不可欠な行為です。
皆さんは当たり前のように三食を食べて生活をしているでしょうが、それが難しくなって困ることが増えると、介護を必要とするタイミングとして考えなければなりません。
年齢を重ねることで摂食・嚥下機能が低下し、食べるとむせてしまったり、食事を摂取するまでに時間がかかるようになったり、時には食事を摂取したことがわからなくなってしまうこともあるのです。
せっかく健康のために食事をするのに、食べることへの困り感が大きくなってしまうと生活が立ち行かなくなります。
だからこそ、食の専門家として、言語聴覚士が介護の現場で多くの人々の生活を支えているのです。
食べることは自立した生活の第一歩です。
一人で食事ができるという状態だけでなく、少しのお手伝いで食事ができるという状態や、食事の形態を変えなければならない状態など、食事に関する機能を評価することも大切です。
命を繋ぐことにも落とすことにも繋がりかねないことなので、介護の現場では食事の評価は必要不可欠。
その専門家が、言語聴覚士という専門職です。
どうして言語聴覚士の支援が必要?
言語聴覚士は食のスペシャリストとして現在は浸透していますが、資格の名の通り、「話す」「聞く」「読む」「書く」といった部分のリハビリテーションを行うことが専門領域とされていました。
それにプラスして、最近では「食べる」ことへの支援も行う専門職として知られるようになっています。
食事を摂取することがうまくいかないのは、それぞれに原因が存在します。
それを適切に評価して、今までの当たり前を少しでも取り戻すための支援を行うのが、言語聴覚士の役割です。
施設での介護から自宅での介護へとシフトしている現在は、食事を自立して済ませるということが、家族の負担を大きく軽減させるポイントです。
常に見守らなければならない状況と、一人で食事ができるのとでは、介護する側の負担は雲泥の差が生じます。
原因を分析して少しでも健やかな生活に近づくためにも、言語聴覚士の支援を受けて、食べることへのスキルアップを図るべき。
それは、介護の対象となる本人のみならず、その人に関わる周囲の人にとってもハッピーなことが多くなるのです。
生活に直結する支援ができる言語聴覚士の仕事。
やりがいを手にするために、介護の現場へと進出する言語聴覚士も増えており、その受け皿となるべき介護の現場の求人も増えています。
日々の喜びを食から作る大切さ
生活の楽しみを作る「食事」は、生きている幸せを得る行為でもあります。
口から食べられる喜びは、いつまでも諦めることなく続けられるのがベストです。
その支えとなるためにも、介護の現場で言語聴覚士をはじめとした食べるための支援の輪を広げなければなりません。
食べることが苦しい毎日よりも、毎食が待ち遠しく思えるような食欲を持っている方が、活き活きと過ごすための精神力が強いもの。
小さな喜びを毎日の食事から手に入れて、生活の質を高めることが実現すれば、きっと笑顔になれる瞬間が手に入ります。
まとめ
介護の現場でも議論となる、食べることへの支援の在り方。
心配事は食のスペシャリストである言語聴覚士へ相談しましょう。
介護サービスを提供する側が一貫して支援を行うためにも、言語聴覚士による評価や支援のアセスメントは、生活における満足度の高さにも影響します。
言語聴覚士が介護サービスに介入し、食という観点から生活を考えるところほど、毎日の暮らしに必要な食事のことを考える専門家が奮闘しているのです。