「認知症ライフパートナー」という資格知っていますか?資格取得を迷っている人も多いのではないでしょうか。
まだまだ新しい資格なので、周囲で取得している人も少ないでしょう。介護に関わる資格は、近年増加傾向にあり、その違いや費用はさまざまです。
今回は、認知症ケアに携わる介護職、認知症の家族のケアをしている方が注目する「認知症ライフパートナー」についてご紹介します。
認知症ライフパートナーってどんな資格?
では、認知症ライフパートナーはどのような資格なのでしょうか。2009年から日本認知症コミュニケーション協議会により定められた民間資格の認知症ライフパートナー。特徴は主に4つ
- 日本認知症コミュニケーション協議会が認める認定資格
- コミュニケーションやアクティビティ・ケアに着目した資格
- 専門職だけではなく、認知症の家族を介護している人にも応用できる内容の資格
- 1~3級まであり、難易度も変化する
認知症ライフパートナーとは、認知症の人に対して、これまでの生活体験や生き方、価値観を尊重し、日常生活をその人らしく暮らして行けるように、本人や家族に寄り添い、サポートできる人です。
言葉によるコミュニケーションが充分機能しない認知症の人にとって、その意味を理解し、納得して、ものごとにあたることは困難なため、傾聴技術や回想法をつかい、その人が好む音楽や園芸などといったアクティビティの活用が大きな役割を担います。
初めて介護の仕事にチャレンジする方にとって、知っておいて損はない資格ですね。
関連記事:
【面接官経験がある介護士からのメッセージ】職歴なしでも介護業界へ転職成功させる秘訣とは
「認知症ライフパートナー」の資格を取得しても就職・転職には…
資格取得を検討する方の多くは、就職や転職活動に生かしたい、また、すでに介護業界で働く方は資格手当による給与アップが狙いだと思いますが、正直、どちらの目的にもそぐわない資格といえます。
もちろん、実務の中で「認知症の方に対して理想のケアをしたい」「認知症の方の世界や気持ちが知りたい」といった動機で取得する方もおりますが、これから働こうとする介護職未経験者は、「こんな資格があるのか」程度の理解で良いかと思います。
2級になると、住環境についても勉強します。母の認知症が進行したとき、どうリフォームしたらいいかを理解できるようになりました。
知識として正確に蓄積すると、実際の関わりの中で用いることが出来るようになります。特に認知症ライフパートナーはコミュニケーションに特化した知識を多数紹介してくれます。そのため、すぐに現場で実践出来る内容も多くあります。「今は○○の法則を考えながら、関わってみよう」と、意識して関われるのです。
引用元:PT-communications.
「認知症ライフパートナー」は、介護の実務経験がなくとも取得できることから、両親の介護をきっかけに取得されるケースもあります。
資格の勉強方法は2つ!
受験勉強は、どのようにすればよいのでしょうか。現在、主に2パターンあります。
自分の生活スタイルにあった方法で勉強しましょう。
(※2016年までは通信講座もありましたが、現在は終了しています。)
- 自分で公式テキストと問題集で勉強
- 受験対策セミナーに参加
1.自分で公式テキストと問題集で勉強
テキストによって値段が変動しますが、認知症コミュニケーション協議会の公式テキストは、
- 3級…3,024円
- 2級…4,860円
- 1級…5,832円
です。
問題集に関しては、過去問も出版されているので、興味のある方はAmazonなどでチェックしてみましょう。
こんな人におすすめ
- 忙しくて勉強会などに行く時間がない
- できるだけお金をかけずに試験勉強がしたい
2.受験対策セミナーに参加
日本認知症コミュニケーション協議会が主催するセミナーに参加することもできます。
セミナーの詳細は、下記のホームページに記載されていますが、上述した公式テキストを使用して行われるようです。
セミナー詳細:
http://www.jadecc.jp/seminar/nlps/index.html
受験資格の条件はなし!?
認知症ライフパートナーを受験する条件に、実務経験実務や資格などは必要ありません。
ただし、2016年度から新設された1級の受験資格は、2級に合格していることが条件です。試験の出題範囲が広いので、個人差はありますが、受験希望者は半年程度勉強をして挑んでいるようです。
試験会場と注意点
残念ながら、試験会場は全国にありません。平成30年5月の時点では2級、3級は以下のエリアに試験会場があります。
- 札幌
- 秋田
- 仙台
- 水戸
- 東京
- 長野
- 名古屋
- 大阪
- 岡山
- 松山
- 福岡
- 熊本
1級の試験会場は、札幌・東京・名古屋・大阪・福岡です。遠方の方は、試験会場までの交通手段や交通費、アクセスもチェックしておきましょう。
また、当日携帯電話の電源は必ずオフにしましょう。携帯電話のマナーモードの振動音だけで失格になります。
受験の費用は?
級階 | 3級 | 2級 | 1級 |
---|---|---|---|
費用 | ¥5,500 | ¥8,800 | ¥12,000 |
試験の難易度と合格率は?
試験は1~3級まであります。
3級は、身内で認知症介護が必要な方、就職活動中の学生等も受けやすい内容になっていますが、2級から難易度がアップします。
試験の合格率データに関しては、実際に試験を受けた方のみ協会から知らされるそうです。
下記の記事などを参考にしてください。
受験申し込みはどうしたらいい?
受験を決めたら、申込みの手続きをしましょう。試験の申込先は、日本認知症コミュニケーション協議会です。
受験申込み手順
- 日本認知症コミュニケーションにアクセス
- 検定試験 申込み画面に移動
- 受験予定種別、希望受験会場、住所、名前等を入力し送信すれば完了
まとめ
「認知症ライフパートナー」は、身体的な介助にとどまらず、認知症の方のこころのケア、コミュニケーションの際に充分に役立つ資格といえます。
今後ますます需要が増えると予測できる認知症ライフパートナー、介護に関わる方の参考になれば幸いです。