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利用者の頼れる代弁者「ケアマネジャー」の仕事と将来性について

投稿日:2018年8月3日 更新日:

1.「ケアマネジャー」なしに介護保険制度は成り立たない

介護の専門資格の中に「ケアマネジャー(介護支援専門員)」という職種があることをご存知でしょうか。「ケアマネジャー」とは、その名の通りケアマネジメントを実践する専門職のことです。利用者からの相談に乗るとともに、適切な介護サービスの利用に向けて、自治体や各介護サービス事業者等との連絡調整などを行います。

「ケアマネジャー」になるためには、保健医療福祉分野での国家資格等に基づく5年以上の実務経験(医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士等)などを経て、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、介護支援専門員実務研修の課程を修了したうえで、介護支援専門員証の交付を受ける必要があります。

介護保険制度には数十種類の介護サービスが存在しています。現在の居宅に住んだまま提供を受けられる居宅サービス、施設に入所してサービスを受ける施設サービスなど、いくつかのカテゴリーに分類されており、その内容は多岐にわたります。

当然、介護の専門家ではない利用者には、どのサービスをどの程度利用すればベストなのかはわかりません。そのため、「ケアマネジャー」が利用者に代わって、介護保険サービスを受けるのに必要となるケアプランの作成を行い、介護に関する相談や手続きのサポートをしてくれるのです。

なお、介護保険法上は、ケアプランを自己作成する「セルフケアプラン」が認められていますが、「セルフケアプラン」の割合は全体からみるとごく僅かであり、専門知識のない利用者にとっては、なかなかハードルが高いものです。したがって、介護の専門知識のない利用者が介護サービスを利用する上で、「ケアマネジャー」は必要不可欠な存在と言えるでしょう。

更に、ケアマネジメントは他の介護サービスと異なり、利用者負担がない(全額介護保険給付で賄われている)点から考えても、「ケアマネジャー」の仕事は、介護保険制度上も重要な位置づけであると言えるでしょう。

2.利用者の状態を左右する「ケアマネジメント」の難しさとやりがい

以上のように、「ケアマネジャー」は、専門分野における一定の実務経験を前提とすることから、高い専門性を要求される職種であり、介護保険制度の中核を担う重要な専門職です。一方で、ケアマネジメントの実践はそう簡単ではありません。

介護保険法では、要介護高齢者等が尊厳を保持し、その有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるように、介護に関する給付を行う目的で介護保険制度を設けることを規定しています。(介護保険法第1条)

したがって、「ケアマネジャー」は、利用者がなるべく自立した日常生活を送れるように、利用者の心身の状況を踏まえつつ、適切なサービスが受けられるような調整を行う必要があります。

例えば、利用者が自分でできるようなことにまで介護サービスを入れて手厚く支援してしまえば、たちまち利用者の自立度は失われ、今までできていたことまでできなくなってしまうという事態に陥ってしまいます。つまり、「ケアマネジャー」の判断が利用者の状態を左右することになるのです。

このように、高い専門性が要求される職務ではありますが、逆に言えば、公正中立な「ケアマネジメント」の専門家として、真摯に利用者と向き合えることこそが、この仕事の最大の醍醐味であり、やりがいであるといえるでしょう。

3.「ケアマネジャー」について近年議論されている課題と将来性

日本の介護保険制度は、2000年に創設されてからまだ20年足らずであり、創設当初から「走りながら考える制度」などと言われ、様々な改正がなされてきました。「ケアマネジャー」についても、同様にその専門性やケアマネジメントのあり方についての議論が継続しており、直近の制度改正や報酬改定においても、様々な方向性が示されました。

その1つが、「ケアマネジャー」の公正・中立の確保の課題です。「ケアマネジャー」は常に利用者の立場に立って提供される各サービスが特定の種類又は特定の事業者等に不当に偏ることのないよう、公正かつ誠実に業務を行わなければならないこととされています。

平成30年度介護報酬改定においては、更なる強化を図るため、「利用者は複数の事業所の紹介を求めることができる」旨を説明することを、ケアマネ事業所の義務とし、これに違反した場合は報酬を減額することが規定されました。

また、平成30年度介護保険制度改正においては、「ケアマネジャー」の資質向上を図る観点や、ケアマネジメントの利用者負担の導入についても議論されました。

「ケアマネジャー」の資質向上を図る観点については、厚生労働省が適切なケアマネジメント手法の策定に着手しており、今後、ケアマネジメント手法の標準化に向けた取組を順次進めていくことになっています。利用者負担の導入については、議論において賛否両論あったものの結論は出ず、今後も引き続き検討することになっています。

他にも様々な議論がありましたが、いずれも「ケアマネジャー」の更なる資質向上や機能強化を図るための方策に関する内容であり、「ケアマネジャー」への社会的要請はますます高まってきていると言えるでしょう。

また、「ケアマネジャー」が担当できる件数には限りがあるため、今後の要介護高齢者の増加に伴い引き合いが強まることが想定され、将来性が高い専門職であると言えます。

4.まとめ

介護保険制度の中核を担う重要な専門職「ケアマネジャー」。そのニーズは今後、更に高まることが想定されています。そして、介護保険制度の目的である、利用者の自立支援や重度化防止は、「ケアマネジャー」が利用者に寄り添った適切なケアマネジメントを行うことで実現します。

介護業界での仕事をお考えの方は、このようなやりがいと将来性を兼ね備えた専門職を目指してキャリアを考えてみるのも良いかもしれません。

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