あん摩マッサージ師は、だれもが一度は聞いたことがありますよね。しかし、あん摩マッサージ師の資格の取り方や魅力についてはなかなか知られていません。じつは、あん摩マッサージ師はれっきとした国家資格。
仕事はもちろん、身近な人にもプライベートでも活躍できるできるあん摩マッサージの資格。この仕事のどこに魅力があるのか?資格を取るメリットなどを含めた「あん摩マッサージ師」になる魅力、強みについてご紹介します。
あん摩マッサージ師はどんな資格?どんな仕事なの?
では、あん摩マッサージ師の資格についてご紹介していきましょう。あん摩マッサージ師の資格は、ケガや痛みのある患者さんが回復に向かうようにマッサージやあん摩(叩く)をして治癒をサポートできる資格です。
本来、治療目的で人の体を揉むなどすることは「医業類似行為」にあたります。医業類似行為は、医師以外では3年以上の専門教育を受けたあん摩マッサージ師の国家資格を持っていなければ行うことはできません。
リラクゼーションというよりは、より医療に近い存在といえますね。あん摩マッサージ師が行う施術方法は、衣服の上から揉む、なでる、押す、叩く(あん摩)などをして、体内の血液やリンパ液の循環を良好にする方法です。
お客様(または患者)の症状を聞き、患部を見たり触ってその状態を確認して、その後患部に実際に触れてマッサージを行う流れになります。
よくある質問:あん摩マッサージ師って視覚障がい者の資格じゃないの?
一昔前まで、あん摩マッサージ師は視覚障がい者の方の資格と思われがちでした。実際に、草彅剛さんが主演した映画『山のあなた~徳市の恋~』では、草彅剛さん演じる視覚障がいを持つあん摩マッサージ師が描かれています。
「あん摩マッサージ師=視覚障がい者」のイメージになった理由には歴史が関わっています。江戸時代に全盲の杉山和一が、鍼の施術法である「管鍼法」を考案し一気に普及。
その後、杉山和一は「杉山流鍼治導引稽古所」を開設しました。視覚障害者教育施設としては世界初。現在まで、盲学校の職業教育に取り入れられています。あん摩マッサージ師の資格を取得し、生計を立てる視覚障がい者が増えたのです。
最近は、視覚障がいがあっても医師、弁護士などに就職する方が増え、視覚障がいを持つあん摩マッサージ師は減少し全体の2割程度になっています。
あん摩マッサージ師と柔道整復師との違い
あん摩マッサージ師と同じ国家資格で「柔道整復師」がいます。柔道整復師も患部を揉む、なでる等の治療を行います。一見、あん摩マッサージ師と柔道整復師の違いは分からないかもしれませんね。
では、あん摩マッサージ師と柔道整復師の違いについてまとめてみましょう。
あん摩マッサージ師 | 柔道整復師 | |
---|---|---|
資格 | 国家資格 | 国家資格 |
治療方法 | 衣服の上から 押す 揉む 叩くなど | 理学療法 運動療法 テープ療法など |
医師の指示 | 必要なし | 急性外傷などのアフターケアでは認められる |
治療目的 | 日常生活での肩こりなどの疾病などを改善させる | ケガなどの リハビリ、回復 |
どちらも、医師免許ではないので投薬や手術は行えません。不快症状を緩和させるために、湿布を患者さんに渡す程度です。
あん摩マッサージ師の就職先は?
あん摩マッサージ師の資格を取った人たちはどこに就職するのでしょうか。肩こりや腰痛などの改善にアプローチできるあん摩マッサージ師だからこそ、医療や福祉などジャンルは様々です。
1.マッサージ店や治療院
あん摩マッサージ師が、最も多く就職するのが治療院やマッサージ店です。最近は、治療院と並んで町のマッサージ店の就職も増えています。また、「訪問マッサージ」として、お客さんの自宅へ訪問し、治療することもあります。
最近は、美容関係のサロンなどで活躍する方も多いようです。スポーツジムや、温泉施設などにもリラクゼーション店がある場合が多く見られます。あん摩マッサージの資格は、開業権もあるので、自宅で開業する方もみられます。
2.医療機関
病院などの医療機関でも、就職は可能です。例えば、整形外科、リハビリテーション科などで理学療法士と連携して治療することもあります。脳外科などでは、肩こりや頭痛の緩和にあん摩マッサージ師を配置する病院もあるようです。
3.介護施設
最近では、介護業界で就職する方も増えてきています。介護施設では「機能訓練指導員」としてあん摩マッサージ師は認められています。近年、介護の報酬制度が変更されたこともあり、「機能訓練指導員」を求めるデイサービスが増えてきています。
今後も、高齢化がすすんでいくので更に需要が増えることが予想されるジャンルといえるでしょう。
あん摩マッサージ師のやりがい、強みはどんなこと?
あん摩マッサージ師として活躍していて感じるやりがいはどんなことなのでしょうか。
あん摩マッサージ師がやりがいを感じる5つのとき
1.お客さんが心を開いてくれた時
近年マッサージ店が、乱立され飽和状態になっています。お客さんの中には「肩こりがひどくて近所のマッサージ店に行ったら更に肩こりがひどくなった」という方も。
「この店も結局、どうせ同じだろう」と思って来院される方も多いようです。警戒されながらも、治療を受けていくうちに効果を感じ、お客さんが心を開いてくれたときやりがいを感じられたようです。
2.「ありがとう」の言葉をもらった時
あん摩マッサージ師のもとに来る方は、みんな肩こりや腰痛などに悩まされています。治療を受けたあとに「楽になったわ。ありがとう」と言う言葉をもらうことがあります。
「ありがとう」と言われると、あん摩マッサージ師のとしてのやりがいや嬉しさを感じますよね。
3.症状改善のためのアドバイスを実践してもらえた時
なかなか治療に協力してくれない患者さんがアドバイスを元に実践してくれた時、やりがいを感じることが多いあん摩マッサージ師の仕事。こういった姿勢の習慣や食生活にも気をつけた方が良い、などのアドバイスを実践してくれるとやりがいやお客さんとの信頼を感じることができます。
「もっと、この人のために何かできないか」と思えるようです。
4.辛そうに来院された患者さんが笑顔で帰られた時
治療院に来る方は、体に痛みやだるさを抱えています。お客さんの症状に合わせて、その時々でマッサージ方法を変えたり揉む強さを変えたりして施術していきます。
帰るときには、「楽になったわ」と笑顔で帰られると、嬉しいものです。
5.努力が収入になって返ってきたとき
あん摩マッサージ師は、国家資格を取得して初めてスタートに立ちます。資格を取得してから、日々実践練習を重ね、更に勉強し続けます。国家資格を持っていることでお客さんが安心して施術を受けてくれます。
時には、「やっぱり資格持ちのあん摩マッサージ師が良い!」、「次の予約を取らせてください」と言ってもらえることもあります。日々の努力が、収入になって返ってくるとやりがいを感じますよね。
まとめ
今回は、あん摩マッサージ師の仕事内容、柔道整復師との違い、そのやりがいなどについて触れました。患者さんに「やっぱり資格のあるあん摩マッサージ師が一番!」「あん摩マッサージ師なので安心して身を任せられる」と言われると、この仕事の醍醐味を感じられる瞬間です。
街にはあん摩マッサージ師がいない店で実質マッサージやあん摩を行っている店も無数にありますが、ぜひ知識と技術を持ち合わせたあん摩マッサージ師さんのいる治療院を選ぶことをオススメします。